概要

結婚と感慨

婚姻について説明するにあたって、まずその位置づけを広い視野で見てみると、男女の成人の性的関係というのは人類の発生以来人間関係の基礎的形態であり、それが成立するのに必ずしも規範や制度を必要とするものではない。だが、社会がその男女の結合関係の成立を許容し承認するのは、これが婚姻という形態をとることによるのである。婚姻というのは社会的に承認された夫と妻の結合なのであるが、ところがこの《夫》や《妻》の資格や役割については、各社会・各時代において独自に意味づけがなされており、比較する社会によっては、互いに非常に異なった意味づけを行っているものがある。よって上記の「社会的に承認された夫と妻の結合」という定義以上に細かい定義を盛り込むと、すぐにそうした定義文に当てはまらないような社会が見つかってしまう。

単婚制(一夫一婦制、monogamy)。一人の男性に対して、一人の女性という結婚形態。近代国家の多くはこの婚姻制度のみを採用している。近代以前はしばしば妻のみに貞操義務を要求されたが、これは男性による女性の支配だとして多くの国で撤廃され、一部の国では男女に貞操義務が課された。なお、一夫一婦制の社会で、既に配偶者が居るのに他の者とも結婚することを重婚と呼ぶ。

社会学では結婚後の夫婦の居所により夫居制・妻居制・選択制・新居制という分類が用いられることがある。男が女の元にあるいは女が男の元に通う形態は通い婚という。特に夫が妻の元に通う場合は妻問婚(つまどいこん)とも言う。源氏物語に見られるように、かつての日本でも見られた形態である。現在では別居婚とも言われる。

婚姻の成立の形態に関する法制度としては次のように分類される。事実婚主義(事実婚・無式婚)。社会慣習上において婚姻と認められるような事実関係があれば法律上の婚姻と認める制度。法制上、一般に婚姻には公示機能として一定の手続(儀式等)を伴うのが通例とされ、1926年のソビエト・ロシア法など事実婚主義の採用は歴史的にみても極めて稀にしか存在しないとされる。

結婚とインターネット

結婚や恋愛ごとは、インターネットがある時とそれ以前では大きく事情が異なるといってもいいだろう。インターネットが無い時代は、人は人と出会うためにはもちろん何らかのコミュニケーション手段が必要であったが、それは大部分のアナログ的なものに依存していた。直接会う機会がない場合は、雑誌などを通じて離れた人とコンタクトを取ることもあった。しかし、インターネットの発展により今では国内にとどまらず、海外にいる人とのコミュニケーションも容易にできるようになった。それが通じて恋愛や結婚に発展することも少なくない。

結婚とパン

結婚した後は、やはり食事を家庭で作ることになってくる。欧米では基本的にパン食であるが、自宅でパンを焼くことも多い。そういった営みを通じて、家庭の文化が形成されていくのであろう。パン作りにはその家庭ひとつひとつのルールや決まりがある。そのため家族の好みや趣向というものはやはり家庭の食卓を通じて生み出されて来るのであろう。


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